モウソウチク(
孟宗竹)は
アジアの
温暖湿潤地域に分布する
竹の一種である。種名は冬に母の為に寒中筍を掘り採った
三国時代の
呉の人物、
孟宗に因む。別名
江南竹、
ワセ竹、
モウソウダケ。
日本の
タケ類の中で最大で、高さ25mに達するものもある。葉の長さは4~8cmで、竹の大きさの割には小さい。枝先に8枚ほどまで付き、裏面基部にはわずかに
毛がある。春に黄葉して新しい葉に入れ替わる。竹の幹は生長を終えると、木と同様に太くなっていくことがない代わりに、枝が毎年枝分かれしながら先へ伸び
る。木での年輪の代わりにこの節数を数えるとその竹の年齢を判定できる。年を経ると
稈の枝分かれ数が多くなり、葉が増えた結果、稈の頭が下がる。67年に1度花が咲くとされるが、この事を証明する記録はわずか2回しかない。
中国江南地方原産で日本では栽培により
北海道函館以南に広く分布する。
801年(
延暦20年)、
京都府長岡京市の
海印寺、寂照院の開山・
道雄上人が
唐から持ち帰った、また
1228年(
安貞2年)に
曹洞宗の開祖・
道元禅師が
宋から持ち帰った、など諸説あるが全国へ広まったのは
薩摩藩による
琉球王国経由の移入によってと考えられている。「南聘紀考 下」によると
元文元年3月に
島津吉貴が、琉球在番として琉球行きを命じられた物頭
野村勘兵衛良昌に孟宗竹を輸入するように命じ、勘兵衛は琉球滞在中に
清より輸入し、元文3年に帰国すると吉貴のいる
仙巌園に孟宗竹を献上したという。植栽された
竹林は、戦後の
里山管理の衰退に伴い、放置されていたり逸出していたりして、生育域は拡大する傾向にある。
0 件のコメント:
コメントを投稿