泉小太郎伝説や甲賀三郎伝説 (※注4) などからもわかるように、諏訪大明神は龍蛇神であると信じられてきました。阿蘇の健磐龍――猛々しい磐の龍――という名前も意味ありげです。阿蘇と諏訪の神が、山を崩し水を流して土地を作ったという伝説は、中央構造線の荒々しい龍脈のエネルギーを象徴しているようにも思えてきます。
最後に、諏訪に伝わる一つの民話を紹介しましょう。
日本列島に長々と横たわる巨大な龍。それはまさしく、中央構造線という日本最大の断層の姿そのものではないでしょうか。信濃国には神無月がない 十月は全国の神々が出雲に集まってしまって留守になるので、神無月といいます。 けれど諏訪の龍神様は、頭が出雲の館を七巻き半しても、まだその尻尾は信濃の尾掛けの松にかかっていました。 あまりの大きさに驚いた出雲の神々が、「これからはもう来なくてよい」と言ったため、諏訪の神は黒雲に乗って諏訪湖の底に帰ってしまいました。そこで信濃国には神無月がないのだといいます。(『信濃の民話』より 松谷みよ子による再話を要約)
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