2023年11月9日木曜日

赤沼絵地図

 この絵地図は、長沼のなかでも赤沼地区を詳しく案内するものです。

  赤沼は、長沼のなかでは千曲川の最も下流部に位置しているので、標高は一番低いところです。千曲川の対岸は小布施町です。先年の水害では、水没した深さが最も大きかった区域です。その分だけ長い期間、より深く浸水していたことになります。

  水害前まで残っていた古民家の数もこの区域が長沼で一番多かったかもしれません。旧街道沿いに歩くと、水害で壊れたであろう建物が解体撤去され空き地(更地)となった敷地の数と面積が一番多いような気がします。

  あるいは、そんな印象は集落の規模が大きいからかもしれません。

  赤沼は集落の北東部に広大な果樹園地帯を擁しています。リンゴ園に取り巻かれた村落という印象の区域です。

  標高が一番低いところではありますが、豊野方面の山間いからは最も近い区域なので、古代に河岸の農耕地や集落の開拓が始まったのが最も古いかもしれません。


  そう感じるのは、長沼で最も農村的な風貌が最も強く残るところであって、宅地化や商業化がほとんどおよばなかったように見えるからです。とはいえ、「経済の発達から取り残された」という印象はありません。というのも、赤沼は、養蚕や稲作からリンゴ果樹園と園芸農業への転換が信州で一番早く始まったところだからです。

  信州はもとより全国の都市部に向けた商品作物=リンゴを供給する近郊型の園芸農業は、この区域の農民に高度な栽培技術とともに遠隔地市場へのアクセスなど商業情報の獲得を可能にしました。その意味では、果樹園芸農業は、近現代の先進的な文化への接近をいち早くもたらしたともいえます。そのため、高度経済成長期からの過剰なコマーシャリぜイションに対して距離置く余裕があったように見えます。

https://www.walkigram.net/naganuma/akanuma/akanuma_map.html

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